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 二階にある魚介市場では牡蠣の他にアサリ、帆立などの貝類や、魚、海老、 イカ、干物、肉串もあり、各々好きな材料を購入し、 隣の炭火焼きレストランで各自が焼いて食べるシステムだ。 とりあえず、バケツ牡蠣を二つ購入し、後は各々が適当に好みの食材を選んでいった。 「うぅん、バケツ牡蠣の蒸し加減が最高~!」 「一人五個なんて、ぺろりといけちゃうよね」  小食の小百合でさえ、新鮮な牡蠣の美味しさに箸が進むようだ。 「なんで肉串なんか選んだのよ、瞳」  目ざとい梢が、焼き網の上の肉串を指さした。 「牡蠣の合間の箸休めよ。そんなこと言って、梢……」  梢はちゃっかり瞳が焼いていた肉串に手を出していた。 財布を共有しているので、 支払ったものは全て皆の分となる。これは誰の分という決まりがないから、 余裕を持って梢のひと口に対応できるのだった。 「瞳。足りなかったら買えば済むことだから、遠慮しないでね」 「よっしゃあ!」  会計係の奈美恵の言葉を受けて、瞳は肉串とバケツ牡蠣を買い足した。
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