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「で、でも……せっかく来たんだから、もうちょっと先まで行ってみようよ」  人気のない霧多布岬を選んだのは、他でもなかった。 怖がる梢の背中を押して、あわよくばそのまま崖下に突き落とす―― 三人でそんな悪魔のような計画を立てたからだ。  だが、それはあくまでも机上の空論に過ぎず、 背中を押し落とすフリをして脅かすだけで上出来だった。ところが、 どうしたことか担当の小百合が、急にその場にしゃがみこんでしまったのだ。 「き、気づいたんだけど……わ、私、こういう場所が、に、苦手かもしれない……」  初めて訪れた大自然の脅威に恐れをなし、 都会育ちの小百合は足がすくんでしまったらしい。 「小百合、大丈夫?」 「う、うん……次の目的地まで運転を代わってくれる、瞳?」 「お、OK。任せて!」  真っ青な顔をした小百合を介抱しながら、 四人は霧多布岬を後に駐車場へと舞い戻った。 最初の計画は何も実行されないまま、次の目的地へと移動する結果となった。
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