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熱々の鉄板皿にトンカツを乗せたミートソーススパゲティが、
ジュウジュウという美味しそうな音を立てて、四人の目の前に運ばれてきた。
「ねぇ、奈美恵。今夜は軽く洋食って言わなかった?」
四人の中でも一番小食な小百合が困り顔で微笑んだ。
「これのどこが軽いのよ? 梢、ひと口あげようか?」
大食漢の瞳は大盛りを注文し、その量の多さに驚いている。
「いらないわよ。自分の分を食べるだけでも大変そうだもの。
普通サイズを頼んだのに、この量なんて信じられない」
さすがの梢も瞳の「ひと口あげる」には乗ってこなかった。
「そ、そうかな? トンカツが乗っているから、ボリューム感があるだけじゃないの?
これから四日間は美味しいものをたくさん食べるんだから、
胃を大きくしておく必要があるかもしれないわよ。さぁさぁ、早く食べよう!」
「こんな熱々、早く食べられないわ」
「大盛り頼んで失敗だよぉ……でも、美味しい!」
「食べられないって言いながら、きっと瞳は全部食べちゃうんだから」
そんな風に文句を言いながらも、皆が名物「スパカツ」を平らげていった。
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