神の物差し、ヒトの物差し

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「あと焼き菓子ちょっと用意してあるから、後でバスケットの中に追加して、お昼の売り上げ計算……くらいかな。今日は本当に平和だよ」  パンケーキをたいらげた司は志津真から指示を聞くと、奥の更衣室に入ってエプロンをつけた。この小さな店が忙しくなるのは都度の行事くらいであるし、やってくるのも若い人というよりは暇を持て余したおしゃべり好きの老人方であることが多い。  売り上げが上がるのかとちょっと不安になるくらい暇な日もざらにあるので、こういう日は壁に掛けたテレビを見ているだけでよかった。 「じゃあバトンタッチ。俺はマノギを探してくるから、君は店内の諸々をお願い……すぐに帰ってくるようにするから」 「了解、いってらっしゃーい」  ヒラヒラと手を振って出ていく志津真を見送った司は、言われたとおりレジの計算を始めた。とは言ってもそれもそう時間がかかるわけでもなし、焼き菓子の補充もテーブル拭きもすぐに終わってしまう。 「んー、これは確かにヒマ、かも……」     
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