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呆れ果てた志津真の声を聴きながら、今度こそ司は二階に上がり、鞄を取ってもう一度下に降りる。この辺りでは移動手段が原付というのもそう珍しいことではないし、なんだったら実家の軽トラックで大学まで来ている人間も少なくはない。ただ司が間借りしている一軒家は母方の伯母――清條 浅香が所有している家の離れになるので、駐車場までは少し歩かないといけないのが少々面倒だ。
暑いからかまだ庭先には出ていない伯母の様子を考えてから、司はようやく愛車にエンジンをかけそのまま走り出した。ちょうどまだ時間も余っているし、祠に寄ってみてもいいかもしれない。
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