1回目

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 最愛の娘が殺された。  テレビで事件の内容が淡々と報道されている。 「今月12日18時ごろ、蜜草公園内で血を流して倒れている8歳の少女が発見されました。少女は病院へ搬送されましたが、その後死亡が確認されました」  俺は生きる理由を失った。魂だけを刈り取られ、空っぽの器だけが残されたような感覚だ。だが、その空っぽの器を満たすモノがあった。  絶対に許さない。必ず見つけだして、殺してやる。  俺は毎日のように街をフラつき、娘を殺した犯人を探した。だが、何一つ得られるものはなかった。捜査も難航しているらしい。  時間が過ぎ、日が変わっていく度、もう見つからないのではという気持ちが押し寄せてくる。  今日も日が暮れてしまった。周りの住宅からは、晩御飯の匂いと楽しそうな声が聞こえてくる。  なぜ、俺だけこんな目に合わなければならないのだ。なぜ、お前たちだけが幸せそうに暮らしているんだ。俺がこんなにも辛い思いをしているというのに。
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