ふたりのハナへ贈る歌

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「咲ちゃん、音楽会でもこっからここまで、ひとりで歌ってみる?」 自分でもびっくりしたが、私はこのとき首を縦に振ったのだ。よっぽど褒められたのが嬉しかったんだろう。 迎えた小学校最後の音楽会。それは、今までで一番心地のよいものだった。 ひとりで歌ったところは一瞬だったが、その瞬間、私は間違えなくシンデレラだった。 これが生まれて初めてのソロであり、私の音楽人生のスタートになったのは言うまでもない。
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