11人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
初めて見たブログを、私は今でも覚えている。
何となく携帯をいじっていた時、たまたま見つけた誰かの日記だった。
三月二十七日の十三時十七分。
アップされたのは、綺麗な青空に咲く桜の写真。
どこにでもありそうな、誰にでも撮れそうな物だった。でもその写真に添えられていた文が不思議と頭に残った。
“時代も人も物も気持ちも変わっていく
変わらないのは、春が訪れれば必ず夏が来ること
夏が来れば秋が来て、冬が来る
そして再び春が来る
それだけは変わらない
でも、去年と同じ春が来ることはない
咲く花も草木も風の香りも同じではない
変わらないものなんて、この世にはないと思う
そう思うのは、自分だけなのか”
変わらないものは、本当にないのかな?
なんとなく宿題を出されたような気分になった。
それから気づけば、私はこのブログを開くのが日課になっていた。
載せられる写真が綺麗だから、文章に惹かれるものがあるから。
でもいつの間にかその向こうにいるあなたが気になっていた。
あなたはどこの誰ですか?
あなたに会ってみたいです。
一度でいいから――――。
最初のコメントを投稿しよう!