第4章 刻みたくない時間

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知沙が卯月と出会った同時刻、敵も動き出していた。 宮殿の様な大きな建物全体が【アデュル日本支部】 だった。 基本的に日本の政治・経済はこのアデュルと言う組織に諸悪されていた。 「時空の歪みが確認されました!」 部下の1人がある男に伝えに来た。 「ご苦労…ようやくイズナ様の集めていたピースがこの世界に揃ったようですね」 すると、その男に人形を持った小さい女の子が近づいてきた。 「うるさいな!蛇火(だび)私寝てるんだから!」 蛇火は小さい女の子に平謝りした。 「ごめんなさい!未々(みみ)静かに致します」 未々は怒りながら自分の部屋へと戻って行った。 蛇火は少し小さい声で部下達に命令すると、部下から報告が入った。 「本部から連絡です!」 すると、張り切った様子で蛇火は答えた。 「イズナ様か?こちらに通せ!」 すると、画面に写ったのは綺麗な白くて長い髪の男だった。 「イズナ様!…ではない?」 すると画面の中の男が喋り出した。 「私だ!柚(ゆず)だ!イズナ様は体調不良で顔が出せないのでな…私が代わりに」 そうすると後ろから綺麗な顔立ちの男の子が顔を覗かせた。 「柚…大丈夫だ…私から…」 すると、蛇火はイズナに言った。 「イズナ様のお身体が大事ですので、イズナ様の言伝は柚から預かりますので、どうかお休みください」 そう言いながら、蛇火は跪いた。 すると、イズナは諦めたように画面からいなくなり柚が喋り始めた。 「蛇火!日本に来たらしいな…」 すると、深刻そうに蛇火は答えた。 「はい、私達の計画の邪魔になる光の姫が来た模様です…なんでも黒い服の男と一緒だとか…」 柚はそれを聞き頷いた。 「なるほど、それで貴様にイズナ様からの命令だ、光の姫とその諸々を捕えよ!姫は生け捕り他の奴らは殺してもいいとの事だ!」 その命令に蛇火が応えようとした瞬間、隣の部屋から未々が出てきた。
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