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知沙と卯月と子深は瓦礫が転がる街の面影はもうない気持ちのいい草原が広がる街に着いた。
「かなり歩いたけどまだ着かないの?」
知沙は疲れながら卯月と子深に聞いた。
「もうすぐだと思いますけど…」
すると目の前に小さな小屋が見えてきた。
「あそこじゃない?!」
そう言いながら勢いよく知沙が走り抜けていくと途中で空間が歪んだのに気づいた子深が急いで空間の中に飛び込んだ。
「待ってください!」
卯月も飛び込もうとしたがその前に空間が締まり卯月は入ることが出来なかった。
「そんな…」
卯月が落ち込んでいると、後ろから大男が卯月を抱き抱え自分の肩に乗せた。
「何するんですか!」
すると、大男は口を開いた。
「久しぶりだな、卯月ぃー!何しとるんや?」
すると、卯月は思い出した様に驚いた。
「あなたは丑侍(ちゅうじ)さん!」
すると、卯月は丑侍に説明した。
「はぁ…わぃがお願いして辰臣(たつおみ)に作ってもらった外敵を防ぐ罠に姫もろとも引っかかるとは…呆れるわぁ」
そう言うと丑侍は拳を握り少し願い空間にパンチをすると光が放たれた。
空間にヒビが入り、中から子深と知沙が出てきた。
「うわぁ!」
すると、子深は丑侍に気づきお礼を言った。
「いゃーありがとう!丑侍!僕の力ではこれを壊せないからね」
すると、丑侍が子深に言った。
「気づいてたな、子深…守るためか?」
すると、静かに頷き笑った。
「で、ドジなそやつが姫なんか?」
丑侍が知沙を指を指しながら言った。
知沙は失礼な丑侍に怒った。
「あなた失礼じゃない?!私は知沙って言う名前があるんだけど!」
丑侍は知沙をスルーして卯月に聞いた。
「で、ここに何しに来た?」
卯月は唖然としながら言った。
「何しに来たって使命の為の招集ですね」
すると、丑侍は卯月達に背中を向けながら言った。
「使命なんか知らん、わぃは…行くつもりはない今の生活を壊したくないからな…」
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