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「姫…」
誰かが呼ぶ声がする。
「誰……?」
そう言いながら知紗は目覚めた。
「先輩!」
大きい後輩の声が知紗の脳に響く。
「はっ!ごめんなさい!」
知紗の頬は赤くなり知紗は顔を隠すようにデスクに伏せた。
「先輩。今日は早退したらどうですか?最近新しいプロジェクトに力入れすぎてたみたいですし…」
心配そうに後輩の声に知紗は甘えることにし、会社を早退することにした。
知紗は早退した帰り道、色々を考えながら歩いていると知らない裏道に入っていたみたいだ。
「ここどこだろ?」
そう迷ってる知沙の目の前に懐中時計の絵が看板に書かれた店を見つけた。
「こんな辺鄙な所にお店?」
そう不気味さが漂うお店に引けを感じながらも誰かに導かれるようにお店の扉を開けた。
カランコロン…
「やけに暗いわね…」
すると、奥の方から声が聞こえた。
「いらっしゃい…」
その姿は腰の曲がったしわくちゃの老人だった。
どうやらこの店の店主らしい。
周りを見渡すと色んな種類の骨董品と懐中時計が置いていた。
「何これ?凄いレアな骨董品ばかりじゃない…」
驚きを隠せない知紗はゆっくりとお店を1周するとある時計に目がいった。
「虹色?の懐中時計?見たことも聞いたこともないわ…」
その時計を開けようとすると店主がこう呟いた。
「選ばれし者を全てを受け入れる勇気があるのか?」
そう言われた瞬間、店主の方に振り向いた反動で時計を開いてしまった!
「あっ…」
その瞬間に自分の周りを謎の光が知紗を包んだ。
「ひゃっ!」
謎の光が周りから消えると骨董屋の景色とはまるで違うものになっていた。
「な…何これ?」
知紗の目の前に広がっていたのは荒れ果てた世界だった。
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