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「何…ここ」
知紗が驚くのも無理はない。
ビルは崩れ下には瓦礫が沢山転がって煙が沢山上がり、空は青色ではなく、灰色の空が広がっていた。
「ここどこ?」
戸惑う知紗は自分が手に持っている虹色の懐中時計を見た。
「この中に吸い込まれたの?そんなことあるわけないじゃない!どんなトリックなのよ!出しなさいよ!」
そう怒っている知紗に向かって無差別に打たれているミサイルが知紗の方に向かって飛んできた。
「えっ…」
知紗は今までの記憶がフィルムのように頭の中に流れてきた。
(これが…走馬灯なのね…惨めな人生…)
そう諦めていると、誰が知紗の前に現れた。
「はぁーめんどくさい。こんなやつが姫とは言ったもんだな。」
知紗の前に現れたのは見たこともない服に身をまとった男だった。
男は知紗を抱えミサイルから身をていして守ってくれた。
「ありがとう…ございます。」
そう知紗がお礼を言うと男は知紗を抱えていた手を離し知紗をコンクリートの床に叩きつけるように落とした。
「いたっ!何するのよ!」
知紗が男に言うとそいつはこう言った。
「自分の身も守れねぇやつがこの世界の未来の砦だとは笑かせる。」
そう言いながら、知紗に背を向け歩きだした。
「何よ!砦なんて知らないわよ!あんた誰よ!」
知紗は立ち上がり指を指しながら怒った。
「はぁー?知らねぇよ!まぁ、とりあえず着いてこい女!名前は 卯月(うづき)だ」
そう言い知紗を置いてさっさと歩いていった。
「あっ!待ちなさいよ!」
そう言いながら知紗は卯月に着いて行くことにした。
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