第2章 刻の印を持つもの達

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知沙は卯月に着いて行くとそこは荒廃した世界とはとてもかけ離れた高層ビルが立っていた。 「何ここ…全然周りと違う…まるでここだけ異空間みたい…」 すると卯月が呟いた。 「ほぅ、この建物が見えるとは、あなたもやはり選ばれたものなのですね一応!」 その皮肉にイライラした知沙は卯月に言った。 「一応って何よ!選ばれたものとかは知らないけど、あんたさっきから失礼よ!」 すると、卯月は文句を言ってる知沙を置き去りにして1人ビルの中へと入っていった。 「ちょっと待ちなさいよ!」 そう言いながら知沙は卯月の後を見失わぬように追いかけた。 エレベーターに乗り卯月は50階のボタンを押した。 エレベーターの中は静かで何も喋ることなく50階に着いた。 チン! エレベーターのドアが開くと広い部屋が広がっていた。その1番奥の机に誰かが座っていた。 「やぁ。君が選ばれし刻の姫かい?」 その背の小さい男が言うと知沙が喋り出した。 「あなたが諸悪の根源なの?私を元の世界に戻してもらえるかしら?」 すると、背の小さい男は卯月に聞いた。 「卯月また説明してないのかい?」 すると卯月は答えた。 「姫かどうかも分からない小娘に説明は不要だ。」 「卯月…はぁ…仕方ない僕が説明するよ」 そう言うと、背の小さい男は知沙の前に来て手を差し伸べた。 「僕の名前は子深(ししん)子の刻を持つものだよ。よろしくね、姫」 すると話が見えない知沙は子深に説明を求めた。 「さっきから分からない言葉ばかり言われるのだけど、説明してくれる?」 そう言うと子深は跪き知沙の手を取り額に付けた。 「姫の仰せのままに…」 知沙は恥ずかしくなり、手を引っ込め知沙は言った。 「早く説明してよ!」 そう知沙が言うと子深は全ての説明をし始めた。
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