第2章 刻の印を持つもの達

3/4
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
「この世には十二支というものがあります。十二支は選ばれた12の動物達により作られたものであります。その昔、十二支は人間から神として扱われ大切にされたが、ある時世界を滅亡に追いやるほどの不穏が世界を包んだ時十二支は世界を守るため人柱となりその不穏を収めたが、十二支達は力を無くし存在することが不可能となり、彼らは時間すなわち刻(とき)として存在することになりそこから人々は時間のことを子の刻、丑の刻など時間の中に十二支を入れるようになったのですが、その話にはもうひとつ欠けている部分がありまして…」 すると、知沙は子深に聞いた。 「欠けている部分?」 すると子深がまた話し始めた。 「それは私たちと一緒に人柱にされた少女がいたということです。その少女はどこにでもいるような女の子ですが、不思議な力を持っていて人々には忌み嫌われていたのです。そして、その少女は人柱にされてしまいましたが、少女1人だけでそんな大きな不穏は消えるわけありませんでした。そして、私たち十二支が来て不穏を収めましたが、その時に私たち十二支達だけが見たのです。その不思議な力を持った少女が盾となり私達の消滅を防いでくれたあの少女を、そして少女は消え、私達は原型は保たれなかったものの刻の力を得て刻の中に生きることが出来ました。そして十二支達はその少女を姫と呼び敬いその少女の家系には不思議な力が宿り、世界に不穏が訪れし時、その家系の少女は十二支達の姫すなわち13人目の十二支として十二支達と共に世界を守るために姫とならなければならないということです。 」
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!