第3章 刻を拒むもの

2/3
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
知沙達は他の仲間を探しに行くために出かける用意をしていると子深がある服を出して来た。 「姫、この服を着てはいかがですか?」 子深が差し出した服は巫女さんが着るような服の彩色に、露出度高めの服だった。 それを出すと卯月は子深を見て言った。 「おい!兄さん、それはあんたの趣味だろ?止めろ…」 その言葉に知沙は2つ驚いた。 「趣味を私に着せようとしないでよ子深!それと兄さんってどういう事?卯月?」 すると、あっけらかんとした顔で知沙に言った。 「あれ?言わなかったっけ?子深と俺はこの世界での兄弟として生まれ変わって来たんだよ」 卯月が知沙に自分達が兄弟であることを伝えると、子深はこう言った。 「皮肉ですよね、そこは僕達は決めれませんから、自分を育ててもらった家族から息子を2人奪い取ってしまうのですからね…」 そう悲しい顔で子深が言うと知沙が肩を掴んで凄い勢いで言った。 「そんなこと絶対にさせない!私は皆を絶対に無事に返す!やり方は分からないけど、人を死なせるなんて嫌よ!」 そう言う知沙の迫力に子深はクスリと笑った。 「わかりましたよ。そんなに迫力出さなくてもいいのに~」 そう言うと子深は手に持っていた服を改めて勧めると、後ろから卯月が子深を退けて知沙に服を渡した。 「あんたの服は事前に用意しといたよ!これを着ろ!」 そう言う卯月から渡された服は緩やかなパンツにゆったりした上の服だった。 男がコーディネートしたには女らしい服だったのでびっくりした。 「ありがとう…これ?」 「あぁ…それ?妹が選んだから安心しろ…」 そう言うと子深が卯月に迫り言った。 「なんで卯月だけ由梨羽(ゆりは)に協力してもらってるんですか!ずるいですね!」 そう駄々をこねながら怒る子深に卯月はため息をついた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!