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「うん。楽しそうっていうか、嬉しそう?」
劉と一緒に食べようと、途中で買ってきたタコライスをテーブルの上に広げながら俺が言えば、劉は小さな声で『まあ…』と、そう言った。その顔が、なんだか赤い気がするのは…気のせいだろうか。
―――え? 何…? 何でそんな恋する乙女みたいにはにかんでんの!?
内心俺が焦るのは当然の事で。だって俺、劉の事好きだし!? てか劉にそんなはにかんじゃうような相手がいるなんて聞いてない。
大いに慌てはするものの、まだ気持ちも何も伝えてない俺が何かをとやかく言えるはずもなく。ただ茫然と劉の顔を見てる事しか出来なかった。
「どうした?」
「ぅぇ!? ぁ、あぁ、ごめんっ。ちょっと講義の事思い出しちゃって…ははっ」
「そうか」
止まっていた手を慌てて動かしながら笑えば、劉が微笑んでくれる。
―――き…っ、気になる……っ!!
いったい俺の居ない間に何があったというのか。聞きたいけれど、聞いていいのかもの凄く迷う。
相変わらず姑息な俺は、劉の隣に座るためにわざわざスプーンとかを使うご飯を買ってきてる訳で。取り敢えず『お世話をする』という名目の元、食事を並べて劉の隣に移動する。
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