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「要…? 大丈夫か? 無理ならやっぱり…」
「いあっ! 無理っていうか…そうじゃなくて…あの…その…」
こんな場所で何をやってるのかと自分自身に呆れはするけど、気になってどうしようもないんだから仕方ない。どうせお世話をするならちゃんと最後までしたい。中途半端は宜しくない。と、妙なところで変な使命感を沸かせてしまった俺は、恐る恐る口を開いた。
「その…さ、さ…える…? 方がいい…?」
モゴモゴと口籠りながら言えば、劉が静かに振り返る。その時にはもう俺の心の中は後悔しかない訳で。
―――言うんじゃなかった!!
内心で絶叫してみても言ってしまったものは仕方がない。慌てて取り繕おうと口を開こうとした俺だったけど、その前に劉の声が聞こえてきた。
「要、出来る範囲で構わない。お前がそこまで無理をする必要はない」
「ぃいやあの、無理って言うかわかんないから…っ!? 俺たぶん劉なら平気だし…っ!」
「私なら?」
―――俺の馬鹿っ!!!
「あぁあああのっ、そっ、そうじゃなくてっ、なんか劉って兄貴みたいだしっ!! その変な意味じゃな…っ」
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