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「え? じゃあいつも兄貴とどうやって寝てんの…?」
「一緒に寝ているが?」
あっさりと事もなげに言った劉の言葉の意味を理解するのに数秒を要した俺は、思わず大声を上げていた。
「はぁっ!?」
いやまあ確かに押し入れにあった布団はダブルサイズで、俺のベッドよりも大きい。大きいけれど、それって兄貴の身長を考えたら当たり前で…。なんたってうちの兄貴は百九十三センチある。シングルどころかダブルでも足が出るんじゃないの? って、百七十二センチしか身長のない俺なんかには想像もできない訳だけれど。
つい今さっき、劉の気持ちがどうでもいいとは思った俺だけど、どうにも納得がいかない。っていうか、何でそんなあっさり兄貴と寝ちゃってんの劉…。
「え? 中国って男同士で一緒に寝るの普通なの…?」
「普通とは?」
「えっ、普通って…その、なんていうか…こっ、恋人とか…そういうのっ!?」
「勘違いしているようだから言っておくが、私と設楽はそういう関係ではない。ただ、寝所が一つしかないのでそれを共有しているというだけの話だが」
―――それは分かってる! それくらいは俺だって分かってるんだよっ!!
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