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思い返してみると、
あの実験用の小部屋は俺達にとっての吊り橋だった。
そして、出された課題はその吊り橋を揺らす器具。
俺達は、その揺れの大きさによって振動を繰り返し。
繰り返し。
いつのまにか。
いつのまにか。
もう二度と離れられないほどに近づいた。
だからあれは俗に言う吊り橋の恋。
それを試すための実験だったんじゃないか。
そう考えるとすべてが腑に落ちたような気がした。
そう。
これは恋をするための実験だったんだ。
ユウとの待ち合わせ場所へ向かいながら、ふと俺はそんなことを思った。
FIN.
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