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小指の先くらいしかない小さな欠片を手で転がしながら、あれこれと推測してみたけど、想像だけでいくら言っても答えなんかでるわけもなく。結局、作ってみなけりゃわからないってことに落ち着いた。
ただ、見た感じではどうもパズルっていうより、レゴブロックとかプラモデルの領域に近い気がした。
「にしてもどうせ作るんなら、ガンプラのほうが楽しかったなあ」
俺がぽつりとそんなことをつぶやいてたら、隣でユウが呆れたように肩をすくめた。
「それじゃ完全な遊びになっちゃうよ」
「似たようなもんだと思うけどなあ」
「まあ、確かに似てるって言えば似てるけどね」
そういえばユウもプラモデルを作ったりするんだろうか。手先は器用そうだけど、あんまり想像つかない。
「……なに?」
「いや、ユウはこういうの作ったことあるのかなあと思って」
「図画工作は得意だったかな。小学校の頃、夏休みの自由課題でボトルシップ作ったことあるよ」
「ボトルシップ?」
「ほら、知らない? 瓶の中に船が入ってるやつ」
ああ、あれか。
「すっげぇ、おしゃれー」
俺が感嘆の声をあげると、ユウは可笑しそうに笑い声をあげた。
「おしゃれって……そんな上等なものじゃないよ。なんせ作ったの小学校の頃だし。帆なんか折れちゃって、これは沈没船か? って言われたくらい」
沈没船だろうとなんだろうと、そういうのを作ろうと考えること自体、俺からしたらおしゃれに思える。
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