200人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいなあ。ちょっと見てみたい」
「でも沈没船だよ」
「沈没船だからだよ。なんか面白そうじゃん。それ、まだ持ってるのか?」
「うん。まだ家にあったはず。母さんが捨ててなけりゃ」
「おー、見に行ってもいいか?」
「いいけど……じゃあ、今度うち来る?」
「行く行く。けど、どのルートで行けば近いのかな? 最寄りの駅って……」
と、そこまできて突然部屋中にアラームのような警戒音が響き渡った。
「……!?」
「あ……!」
やばい。忘れてた。
個人が特定されるような情報は聞いちゃいけないんだった。
俺達は慌てて作業を中断すると、アラーム音の出所を探るため立ち上がった。
「ケイ、あそこ」
ユウが指さしたのは、いつも課題の指示をだしてるモニターに接続されたスピーカーだ。
俺とユウは先を争うようにしてモニターの前へと駆け寄った。すると思ったとおり画面には警告の二文字と添えられたイエローカードの画像。その下には個人情報の扱いには注意するようにとの文言が表示されていた。
俺が画面を確認したことを示す為に、イエローカードの画像にタッチすると無事アラーム音が鳴り止んだ。ようやくユウがホッとして息を吐く。
最初のコメントを投稿しよう!