『課題③:協力・調和』

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 ああ、ふつうだったら世界遺産だぁとか、ガウディだ、すげえとか言うんだろう。それくらいは俺にもわかる。 「でも、あの工事って、それこそ一生かかっても終わらなそうじゃん。この前ニュースで見て、なんじゃそらって思った印象が強くてさ」 「確かにそうだよね」  俺の言い分を聞き、建物の一番手前の塔の部分を組み立てながらユウはくすくすと笑い続けた。初日の頃から思ってはいたけど、ユウって案外笑い上戸だよな。沸点も低いし。  でも、なんかいいな。こういうの。  ユウの笑い声は耳に心地良い。だからずっと聞いていたくなる。  ずっとずっとこんなふうに傍にいて聞いていたくなる。 「ほら、また手が止まってる。急がないと今日中に完成出来ないよ」 「わかってるってば」 「あぁ、そこ違うって。塔の屋根はこっちの欠片。ほら」 「はい、ごめんなさい。ちゃんとやります」  動かす手がついつい遅くなるのは、きっとこの作業がいつまでも終わって欲しくないからだ。  時間がもっとゆっくり流れてくれればいいのに。  そんなことを考えてしまう俺は、もしかして少しおかしいんだろうか。
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