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「それってつまり泊まり込みってこと……だよな」
十日間まるまる拘束されて、二人きりの密室での作業。であれば時給換算出来ない理由もわかる。それに二十四時間で二万と考えれば、さほど高額というわけでもないんだろうか。
どうもこういったことに対する相場がわからないのでなんとも言えない。
俺はほかに何か情報はないか、もう一度その募集記事に目を通した。
怪しいと言えば若干怪しい気もする。でも、その反面、面白いとも思える。かなり微妙なところだろう。
ただ、書かれてあった企業名は聞いたこともない名前だった。
と言っても、俺だってもともとそういう医学界のことに精通しているわけじゃないので、知らない名前だからって怪しいという根拠にはならない。
なんだっけ、ちょっと前に話題になった映画だかなんだかで、高額報酬につられて集まった奴らが殺し合いをするようなのがあった。でも、これは高額というにはかなり微妙な金額だし、そもそも二人一組で行うってことだ。いくら腕っぷしに自信があったとしても、一対一での勝負なら俺にだって勝機はある。さすがにそうそう簡単にやられるつもりはない。
って、おい。
ドラマや映画じゃあるまいし、ふつうに考えて、そういうことが起こるような可能性なんて、どう考えても低いだろう。
いろいろ考えたあげく、結局、俺は手に取ったアルバイト情報誌をレジに持って行くことに決めた。
そして……。
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