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そしてそれから数時間後。
少しずつ要領がわかってきたおかげで、もうさほど大きな失敗も事故もなく、夕食もパスタだったんで、箸じゃなくフォークで食べられたこともあり、それなりに平和に過ごすことが出来た俺達にとって、最大の試練である風呂の時間がやってきた。
やっぱりどう考えても風呂は難関だ。単純に洗いにくい、ってか片手が届かない部分はどう洗えばいいんだろうという疑問と、それとは別のなにか。まあ、やっかいなのはどっちかっていうと、そのなにか、のほうなんだけど。
考えるな。考えるなって思えば思うほど、思考っていうのはそっちにばかりいきたがるのは、本当どうすればいいんだろう。
俺のそんな気持ちには全く気付いていないのか、気付いていても気付かない振りをしてくれているのかわからないけど、ユウは夕食後「そろそろお風呂に行こうか」と、やけに気軽な口調で俺に声をかけてきた。
俺はユウに連れられるようにして洗面所へ行き、いったんリストバンドを外して服を脱いでから再びその手を繋ぎなおした。今度こそユウは一切何も身に着けていない素っ裸の状態だ。
ちらりと見えたユウ自身から俺は慌てて目をそらす。
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