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いくら洗えないからって、こんなお互い抱き合うような格好で、お互いの背中を洗い合うなんて。どう考えても恥ずかしさのレベルが違うだろう。
いや、もう。これが恥ずかしくなかったら、なんだって恥ずかしくないわ。って、まさにそんな気分だった。
それでも最初はお互い抵抗を試みて、若干身体を離して実行。そしてすぐに断念。やっぱりこれだとうまく力が入らないし、ちゃんと洗えない。わかってはいたんだけど、最後の抵抗だと思ってくれ。
結局、ユウは諦めたように俺の肩口に顔を埋めて、ぴったりと胸にもたれてきた。
「も、無理。男にこんな格好で抱きつかれて気持ち悪いかもしれないけど我慢してね」
我慢もなにも。
「いや……別に」
おもわずそんなことないと言いかけて俺は止まった。
今思っていることを口に出したら、別の意味でまずい。ってかむしろユウが俺のことを気持ち悪いと思うかもしれない。
俺は慌てて口を閉じると、ユウを抱きしめるような形で背中へと腕を回した。
「そ…そっちこそ気持ち悪かったら言ってくれよ」
「わかった」
ユウの背中は白くてすべすべしてて滑らかだった。綺麗に突き出した肩甲骨のあたりを擦ると、くすぐったいのだろう僅かに身をよじる。そのまま手を背中にすべらせていくと男にしてはいくぶん細めの腰に辿り着く。
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