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ふいに握りしめあった手がジンッと熱くなった。なんだかまるでそこに心臓があるんじゃないかと思うくらい、流れる血の脈動を感じる。
ドクンドクン。
これは俺の鼓動だろうか。それとも。
俺はそれを確かめるように、ゆっくりとユウに顔を近づけた。
と、その時。
俺の動きを遮るように、十一時を告げるアラーム音が部屋に鳴り響いた。
とたんに俺達はお互い夢から覚めたみたいにハッとなって身体を起こす。
「あ、明日の課題が発表されたんだ。見に行かなくちゃ」
「そうだな」
そして俺達はそのまま何もなかったかのように起き上がり、モニターの前に駆け寄った。
「……?」
そして画面に表示されていたあまりの内容に絶句する。
「なんだよ、これは……」
拘束。ただしUのみ。補助。ただしKのみ。
明日の課題は、ユウの両手を拘束する、というものだったんだ。
時間指定は一日中。外していいのは一日のうち二回。五分以内限定というところは今日と同じ。終了予定が夜中の十一時五〇分頃というのも同じだった。
また、両手の拘束に関して、夜の間は身体の前で。朝の着替えの後はずっと後ろ手に拘束。つまり基本的にユウは明日一日、いっさい手は使えないってことになっていた。
「これ……ユウにばっか負担がかかるんじゃねえの?」
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