『課題⑨:極秘指令』

1/24
201人が本棚に入れています
本棚に追加
/180ページ

『課題⑨:極秘指令』

 極秘指令。それが次の課題だった。  いわゆるグリーンカードと呼ばれる、グループの中の一人にだけ極秘で指令を出し実行させるっていう宇宙飛行士の試験や訓練などで使用するという某漫画で有名になった例のあれだ。  あの後、十一時の課題発表のお知らせアラームが鳴ってもユウが目を覚まさなかったので、俺は一人で課題内容に目を通した。内容によってはユウが目を覚ましてから教えても問題ないだろうし、何より今回の課題の場合、ここでユウを起こすこと自体、やってはいけないことになると思ったからだ。  そして、モニターに映った課題『極秘指令』で指令を受けたのはK。つまり俺のほうだけだった。  今までも、ユウは目で俺は耳とか、ユウは拘束で俺は補助とか、それぞれで違う課題が与えられたことはあったんだけど、今回は完全に俺にだけ。これはもしかして、ユウの具合が悪くて眠っているのを知って、そういった判断をくだしたということなんだろうか。  向こうの意図はわからないままだけど、もしそうなんだとしたら本気で有り難うと言いたい。少なくとも明日一日、ユウは何も考えずゆっくり休めるってことなんだから。     
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!