『実験開始』

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『実験開始』

 定員五名という異常に小さなエレベーターに乗って白い建物の地下へ辿り着いた俺は、指示書に書かれていた場所にあったドアを開けた。  想像以上に重たいドアを開けると、やはり全面が白い小さな小部屋があり、その先にさらにひとつドアが見えた。  二人一組で課題をこなす実験を行うという部屋が、あのドアの先なんだろう。そう思って俺が足を踏み出すと同時に、ガチャって重たい音がして、後ろのドアが閉まり、鍵がかかったのがわかった。  あれ?  単純にオートロックなんだろうと思ったんだけど、だとしたら俺が入ってくるときは、鍵も何も必要なく開いたのが妙だ。念のため振り返ってみると、ドアの内側にはチェーンも掛け金も何も見当たらなかった。  これって入るのは自由だけどドアを閉じたら出られないってことにならないか?  まるで逆オートロックだ。  ためしにドアノブを回そうとしたけど、思ったとおり少しも回らない。しっかり鍵がかかってるみたいだ。  一瞬、やっぱ止めときゃよかったかなという気持ちが頭をよぎった。
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