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『課題⑤:奪視力・奪聴力』
次の課題は、奪視力・奪聴力。つまり目隠しと耳栓をして、視力と聴力をなくさせて一日過ごしてみるというものだった。
ここまでの様子だと、だいたい一日目の逆の指示が二日目に来るって感じだろうか。
戦った次の日は協力だし、ひたすら見続けた次の日は見られない。
奪視力・奪聴力って聞くと、今までよりはちょっと実験課題っぽく思える気がするけど、昨日俺的にはいろんな意味で大変だったから、そのことを考えるとちょっとだけホッとした。
少なくとも今日は、ユウの姿を追い続けてずっとドキドキしてるなんてことはなさそうだ。
と思ってたのに。
「目隠しと耳栓はそれぞれ一人ずつ?」
「やっぱりいきなり目と耳両方奪われたら、生活するどころじゃなくなるって考えてくれたのかな?」
確かにユウの言うとおり、目と耳が両方使えないなんて、ヘレンケラーと同じってこと。そんな状態じゃ食事すらままならなくなる。向こうもそういうところは配慮してくれたんだろうか。
で、結局、目隠しはユウで耳栓は俺ということに決まった。
「目のほうが大変そうだけど大丈夫なのか?」
「うん、もともとあんまり視力はよくないから大丈夫」
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