一章.雪の森

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僕はそのタイムリミットを聞かされた時とても悲しかった。 大好きな家族と永遠に離れ離れになるのはひどく辛い事だと思ったのだ。 両親の性格は周囲から見れば問題があるかもしれないが、それでも小さい頃から僕らを大切に育ててくれた親だった。 何より僕は姉が大好きだった。 僕が悪ガキに苛められていた時は助けてくれたし、時には厳しく叱ってくれた。 それは全て僕のためである事もわかっていたし、姉の優しさは十分に知っていた。 そんな姉と別れなければいけないということが僕は眠れなくなるくらい悲しかった。 姉も僕の事を愛してくれていた。 僕が産まれた時は初めての弟に大変喜んでいたらしい。 たった一人の弟を大切にしようと心に決めて僕は大事にされてきたのだ。
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