過去 Ⅱ

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すぐにでもと思っていたけれど、ツアー真っ最中で時間は限られていた。 先までスケジュールが埋まってる。 一ヶ月以上先のある木曜日に、誘ってみた。 返事は直ぐにきた。 彼女とのメールは苦にならなかった。 あまり好きじゃない行為なのに不思議だった。 ストレスがないリズムでの行き来だからなのか、長々とした内容のメールじゃないからなのか… とにかく苦痛を感じなかった。 それは多分、彼女に好意を持ってるからだと薄々感じてはいた。 踏み込んではいけないことはわかっている。 自分の感情を隠すのは得意なはずだ。 この間抱き締めたのは…自分でも驚いたけれど。 あんなこと、もう出来ない。 このお礼さえしっかりすれば、距離も置ける。 自分の気持ちに蓋をしようと思う。 今ならまだ間に合うから。
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