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「このままじゃ、夏の地区予選出場も危ないかも」
道子がため息をつくと、美里はまたもやノートに鉛筆を走らせた。
『大丈夫。これ以上は、減らない』
そして、顎をクイッと後方へ振った。
部室の隅では、残りの部員2人があぐらをかいてしゃがんでいる。
漫画を読んでいる金髪ヤンキーが「サッチ」こと鏡幸恵、食パン1斤を引きちぎりながら食べているのが「マルちゃん」こと丸山ユリアだ。
「あんたたち、真面目なの!?不真面目なの!?」
道子が呆れながら2人に問いかけると、サッチは「何が?」とキレ気味に、マルちゃんは「意味わかんないっす」と答えた。
「毎日律儀に来てることは『真面目』、自由に過ごすことは、『不真面目』!」
上級生が引退し、新入部員も入らず。
何人もが退部届けを出すなかで、毎日部室へやってくる残された2年生部員が「部長の矢島さん」「道子」「サッチ」「マルちゃん」の4人なのだ。
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