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「だいたい、サッチは、つるむ仲間のカテゴリーが違くない?」
道子の攻撃に、「ひどっ、ひどくない?見た目差別反対!」と、金髪ヤンキーのサッチが反撃する。
「確かに、あたしの兄ちゃんは盗んだバイクで走り出して補導されたけど、あたしは見かけ倒しだよ」
「ダサっ」
マルちゃんが吹き出す。
朗らかに笑いながら手を出しかけた2斤目の食パンを「あんたは食べすぎ!」と、道子にペンホルダーラケットで容赦なく叩き落とされた。
興奮気味に肩で息をする道子の背中を、矢島美里が鉛筆でチョンチョンとつついた。
振り向いた道子の目前に、A4のノートが差し出される。
見開きいっぱいに、大きくこう書かれていた。
『道子、ウルサイ』
さっきまで各々自由だったサッチとマルちゃんが、同時に、かつ盛大に吹き出した。
「矢島さん、いや、部長のことを思って苦手な仕切り役をやってるのに!!」
5秒間、部室内がしんと静まり返る。
『今日は、このくらいにしとくか』
矢島美里がノートに鉛筆を走らせる。
『ウォーミングアップ終了』
『実戦練習開始!』
全く接点のなさそうな4人が残ったわけだが、卓球が好きなことには違いないのだ。
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