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哺乳瓶でンクンクとミルクを飲みながら、今の状況を整理してみる。
幸せそうに哺乳瓶を僕の口に当ててくれているのは、僕の今生での
母親、つまりママンらしい。
二十代前半と思われる彼女はとても優しそうな顔をしていて、実際
僕を本当に愛してくれていると感じる暖かさがある。
視界のボヤけ具合や今さっき少し出した言葉から察するに、多分今の僕は
生後二ヶ月ぐらい。
いやぁ、前世で家庭科の時間に赤ちゃんのページ詳しく読んでて良かった。
人生何が幸いするか分からない。
それと、この世界について。
母親の格好や家具を(まぁ、ぼやけてよくは見えないが)見てみると、それは
歴史の教科書なんかで見た中世ヨーロッパの平民の家、という感じだった。
つまり、日本じゃない。
やっぱり異世界なのだろうか。いや、けれどまだそうとも限らない。
タイムスリップとか、なんかそういう…。
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