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今生に生を受けてから、あっという間に数年たった。
両親は優しく、村の人達もとても良くしてくれる。
今年で五歳になった僕は、だいぶ自由に行動できるようになった。
「あぁぁぁ、フミヤは今日も本当に可愛いでちゅねー!!」
「おとうさん、いたい...」
立派な親馬鹿になった父親は、毎朝飽きずに僕に頬擦りしてくる。
これ、地味に痛い。
彼は一般男性に比べたら確かに華奢だ。けれど、幼児の僕に比べたらもちろん力はあるし、
朝にはうっすらではあるが髭も生えている。
母親はというと、そんな僕らを温かい目で見ている。
出来れば見てないで助けて欲しい。
「おそといってくるからはなしてー!」
なんとか父親の腕から逃れようとしながらそう言うと、
やっと放してくれた。
うぅ、これから遊びに行くのにもうすでに疲れた...。
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