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「気を付けてねー」
「あんまり遠くに行ったら駄目だよー?」
二人の声に返事をして、約束の場所に向かう。
相手はこの村の子供ではない。
いや、僕のコミュニケーション能力が絶望的だからとか、精神年齢が
かけ離れすぎているからとかで人間関係が上手くいっていない理由じゃなくて...。
この村には子供がほとんどいないのだ。
隣町、と言われているところがここから徒歩で十時間。
全然隣じゃない。
山奥にあり、何か売りに出来るものもないこの村は、絶賛過疎中なのだ。
いつもは穏やかなご老人達も、外に言った人達の話になると
若干過激になる。
僕と同年代の子供はほとんどおらず、そろそろ村を出る年頃のお兄さん達か、
まだ歩くのもままならない赤ん坊しかいない。
もちろん皆で仲良く遊ぶこともある。けれど、基本一緒の年代で遊ぶのが常だ。
そっちの方が気をつかう必要もないから当たり前と言えば当たり前。
が、しかしそのせいで僕はあぶれてしまった。
他の年代の子の間に無理やり入っていくのも気が引けた僕は、外に友達を作ることにした。
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