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その友達と約束していた場所、森に着く。
キョロキョロと辺りを見渡すが、まだいないようだ。
泉の方でも探してみようか。
そう思い、歩き出そうとすると声が聞こえた。
『ちょっと、来たなら言いなよ』
後ろを見ると、当たり前のようにいる大きな獣。
これが僕の友達だ。
「よかった。いないのかとおもった」
そう言って僕が笑うと、頭をこすり付けてくる。
正直この体だと後ろに倒れてしまいそうなのだが、ふわふわな毛が気持ちよくて
なんとか踏ん張る。
角度を変えると銀色にも見える真っ白でとても綺麗な毛に、
ところどころ金色が混ざった青くて宝石みたいな目。
「ロワはほんとうにきれいだねぇ...」
そう言って撫でると、この美しい獣...ロワは鬱陶しそうにフンッと鼻を鳴らすけれど、
目が気持ちよさそうに細められている。
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