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誰かに呼ばれたような気がして目を開く。
見覚えのない真っ白な部屋。そこで僕は眠っていたようだ。
寝過ぎてしまったようで、少し頭がガンガンする。
ふらふらと立ち上がると、何かに当たった。
...なんでこんなところにマネキンが置いてあるんだろう。
妙に精巧に作られたそれを見て、首を傾げる。
するとマネキンの目が動いた。声にならない悲鳴を上げて、後ろに飛びのく。
む、無機物が動いた。どうなってるんだ。
動揺していると、いきなり どこからともなく無駄に偉そうな声が聞こえてきた。
「ふん、神である私に恐れをなしてしまうのは無理もないが、さっさと挨拶の
一つでもしたらどうなのだ。矮小なるものよ」
喋っているものは目の前のマネキンだった。
いや、これマネキンじゃない。生き物だ...。
あまりに整いすぎたその顔に、感嘆とも恐怖ともつかない感情を抱きつつも、
先程のコイツの言葉を脳内で反芻する。
神?矮小なるもの?イタイ人なのだろうか。それもかなり手遅れ感のある。
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