第一章 偶然は必然

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いつもの帰り道、いつもの場所で立ち止まる。 美味しそうな甘い匂いに誘われ店へと足を運ぶ人々。 そして、白い包を持ち家路につく。 僕は白い包の中のものなど実は興味などない。 本当は1人でその包に入っている甘いスイーツを作るあの男に恋をしたんだ…。 名前も知らない、どんな性格かなんてましてや知ることなんて出来ない。 この透明のガラスがある限り出来ない。 僕にできるのは恋した男の作った美味しいと噂されているチーズケーキを食べることしか出来ない。 (ガチャ…) 「あぁ!いらっしゃいませ!」 「はい…」 そう言いながら男は奥に行き白い包を持ってきた。 「はい!いつものチーズケーキと新作のケーキ入れたんでまた感想聞かせてくださいね!」 そう言いながら軽く手を振りお店を後にした。 「毎回ケーキ買うだけなのにめちゃくちゃ緊張する…。」 そう言いながら家路に着くと、家の前に妹が立っていた。 「葛城奏太(かつらぎそうた)!前科二班!帰宅時間遅延の容疑で逮捕する!」 そう言いながら妹の七羽(いろは)がこちらに向かって走ってきた。 「なんだよ…お前が欲しいのはこれだろ?」 そう言うと妹は奏太が持っていた白い包を持っていき包に顔をスリスリしながら言った。 「そう!この felicita(フェリチタ)のチーズケーキ!待ってましたー!」 そう言いながら七羽は駆け足で家に戻った。 奏太は呆れた顔をしながら家に帰った。
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