第2章 必然は未知

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そうこれは偶然ではなく必然だ。 私の名前は高嶋幾月(たかしまいづき)だ。 小さい頃からパティシエになり自分のお店を持つことが夢だった。 夢を叶える為に、留学し、有名パティシエの弟子になりやっと一人前と認めてもらえ自分の夢であるお店を持つことが出来た。 「やっと…夢が叶った」 幾月は夢に情熱をかけたおかげで彼女なんて存在は傍にいるはずもなかった。 そんなある日自分のお店に気になる人が現れた。 窓の外からこちらを覗く男の子がいた。 「(気になるのかな?)」 初めは幾月もただのお客さんが、見ているだけだろうと思っていた。 だが、それはお客さんの壁を越えようとした。 ある雨の日その男の子は1日現れる事はなかった。 その時綾人はなんだかものすごい喪失感に襲われた。 「(なんだ…この喪失感…この心にぽっかり穴の空いた感じは…)」 その時幾月は気づいた。 「私はあの男の子を気が付かないうちに気になっていたのか…もしや、これが恋…なのか?」 そして、その後も来る男の子に対し幾月は自分なりに楽しみにしていた。 その幾月の楽しみは幾月の作るケーキへと注ぎ込まれるようになった。 お店の評判は前より格段に上がり、そして自然とお客さんの数も増え始めた。
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