戌亥神社

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 初めは狐かと思ったが、 今は大きさは全然違うけれど、 政宗と引越の時に一緒に連れてきたクロシバの梵天丸に見える。 「マサムネくん、 こないで!」  強い口調で言って、 背を向けて社の裏へ行こうとした。 ところが、 政宗はまだ()いてくる。 「ついてこないでってばッ、 かえって!」  政宗は言う事を聞かず()いてくる。 「もう、 かえれ!」 「キャンッ」  足下にあった石を拾って政宗に投げつけた。 それは政宗の頭に当たり、 さすがに堪まらず来た道を引き返す。 「フン」  紫織は再び社の裏へ向かった。  この寺に来た時から、 自分を背に乗せて遊んでくれた心優しい政宗、 ちくりと胸が痛む。
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