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遅くまで起き続けていると、無性にお腹がすいたり、飲み物が欲しくなったりするタイミングがあるだろう。この時の私も無性に甘いものが欲しくなった。自分の部屋からおりていき、明かりをつけずに記憶と手探りを頼りに探していた。時間が時間なだけに、電気を使って家族を起こすのは面倒なことになりかねない、更に言うと動物というのは熟睡しないと聞いたからできる限り起こさない努力をしたのだ。そうして冷蔵庫の中を覗いてもジュースはおろかお茶すらなかった。それでもあきらめきれなかったのか、押し入れにはひょっとしたらあるかもしれないとさっきと同じように暗闇の中を伝って探っていく。 押し入れの扉に備えられた手巻きの電灯をぎるぎるという音を立てながらも回して、明かりをともしてみる。そうしてまた中を探ってみたのだが、ここにも飲み物はなかった。     
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