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「痛いから何。だからってここまできてやめるとでも?お前も男ならわかるだろ」
「ひ!いた、ひぐっ、あぐ!」
力を込めて痛みを和らげようとする健二を嘲笑うように、性器を内部に押し付けられると脳髄を直接抉られるような痛みが襲ってきた。
「あ!ぐぁ!あ!…っいやだ!」
痛みで頭が真っ白になって、無我夢中でその手を払い、遼の頬を打った。
「あ…っ、ごめ」
頬を打ってから、遼の頬が痛々しいくらい赤く染まる。腕も僅かに赤くなっている。健二は自分のしてしまったことにぞっとした。
「どうしよう…っ、ごめ。遼、ごめん」
健二はぽろぽろと涙を零しながら、遼の手を擦り、頬を優しくなでた。
「うで…っ、痛いよな…ほんとっごめ…っ」
遼を傷つけてしまった。体格で勝っているなら考慮しなければならなかったことだ。来月、重要な大会があるというのにもし腕に痺れが残ったりしたら、と考えるだけで健二の目の前は真っ暗になった。
「……痛くないから」
小さな声で呟いた男は傷ついた本人よりも狼狽する健二にゆっくり口付ける。下唇を啄ばみ、軽く吸い付いてくる。
先ほどみたいに奪うような口付けではなく、慰めるような口付けに戸惑う。
「んぅ」
「健二、口あけろ」
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