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さあミズキンダ、君の出番だ♪
とっとことっとこ……
ぼてぼてぼて……
とっとことっとこ…
ぼてぼてぼて……
くるり。
「ほらミズキンダ、さくさく歩く」
「お腹空いた」
「食べたばっかりだよ」
「喉乾いた」
「飲んだばっかりだよ」
「疲れた」
「休んだばっかり」
「帰りたい」
「まだ厩舎出てから18分」
「10分歩いた」
「うん十分、ってちがーう!」
現在ここにはサラメンコはおりません。
まだ夜も空けきらない暗い道を、アサカハムハムとミズキンダが、それぞれせくせくのったり歩いております。
「ああ、いけない。このままでは目的地にたどり着く前にパンダが冬眠してしまう。」
焦るハムハムをしり目にミズキンダはマイポケット(毛の中に仕込んだポシェット)から笹の葉チップスを取り出し、パクパク。
「ダメでしょ、ダイエット中なのに!」
ハムハム一生懸命止めようとジャンプしますが、なにぶんパンダはハムハムの何倍もの大きさですので、無理~。とどかなあい。
「しょうがないなあ。奥の手使うか。」
ハムハムがため息一つ付いて、ミズキンダの脚に
がぶりっ!
「ぎゃああああああ」
「さ、行きますよ。何、まだ噛まれたい?」
パンダ、ぷるぷる。
「それは良かった。さて、こっからは駆け足で行きましょうか。」
そう言ってハムハムがミズキンダの頭の上にぽよん、と乗りました。
「走れ、ミズキンダ!」
ハムハムのしっぽがミズキンダの後頭部をぺっちん!
「やああん、ミズキンダはウマじゃない、騎手~~~~!」
どどっどどどっどっ……
なんだ走るの速いじゃん、パンダ。
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