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「もうサラもカイザーと訓練に出かけてるはずだよ。僕たちは一週間ここで訓練、残りは札幌で他の馬に乗るよ。サラは十日訓練して合流は府中、二週間後だから。その三日後に本番。
ミズキンダ。サラは今、どSカイザーにがんがんいじめられながらも頑張ってトレーニングしてるんだよ。君はいまのままでいいのかい?そりゃ毎週王冠やる前の君に比べたらはるかにお稽古してるけどね。それでも他のジョッキーたちに比べたらまだまだだ。一度彼らのトレーニング見てみるといいよ。」
そう言ってハムハムに説教&噛まれつつジムのフロアに引っ張られ……
「す、すごい」
ミズキンダは腰が引けております。
何せそこには普段テレビのモニター越しでお目にかかる方々が筋トレしてるんですもの。
「あ、あれはフィギュアの遅田ばおちゃん、あれはスピードスケートの大平なわちゃんあ、あれは……」
「はいはい、ジョッキー連はあそこにいるからねえ」
ぐいぐいと噛まれ誘導されつつ、そちらへ。
なるほど、競馬雑誌やついこないだ一緒に走ったと思われる騎手達もちらほら。
「あ、ハムさん」
「やあオーナー。今回は申し訳なかったねえ、急にお願いして」
現れたのは、小柄ながらシュッとした美人パピヨン。
「ああこの子ね。テレビで見たわ。サラちゃんの上にボールみたいに乗ってたよね」
ボール。意外に辛口だ。
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