嫉妬

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「今日、帰るの遅いから。いってきます」 そう言うと、奏(かなで)は通話を切ってしまった。 途端に悲しみが、溢れ出した。 今日を機に、連絡が途絶えたらどうしよう。声も聞けない様になってしまったら、私はどうなってしまうのだろう。 奏は帰って来るだろうか、女にナンパされたらきっと、もう、、、。 奏はそんな男じゃないと分かっているのに、心ではそんな事ばかり感じでしまう。 自分に自信がないからだろうか、自分が魅力ない人間だからだろうか。生きてるだけ無駄な人間だからだろうか。 奏には申し訳ないけれど、私は心のどこかでいつも嫉妬している。 どこの誰かと通じているかもわからない、SNS。 私と出会った場でもあるこの場所で、他の女とも通じていた過去と、通じているかもしれない現実に嫉妬した。そして、これからの未来にも嫉妬した。 醜い人間だと笑えばいい、心の狭い人間だと罵ればいい。それでも、私は生きなければならない。 どうしようもない現実に失望する毎日だ。
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