12人が本棚に入れています
本棚に追加
それから一年後、今から四年前のことだ。
夜に漫画を読んでいると、やっと買ってもらったスマホにC美からLINEがあった。
『ついに行けそう。バイバイ』
すぐに「何が?」と返信したが、それきりメッセージは返ってこない。
寝落ちしたのかな、と特に気にはしなかった。
そして翌日。
朝起きてリビングに行くと、母が血相を変えて電話をし終えたところだった。
「C美ちゃん、死んだんだって」
「え?」
ショックと言うより、何を言っているのか分からなかった。
寝ぼけ眼というのもあったし、何より昨日LINEをしたばかりだったからだ。
「なんで? いつ?」
「今日の朝早くだって」
なんで、の所に母は答えてくれなかった。
おろおろと青くなる母に、それ以上訊けなかった。
その後は家族でC美の葬式に行った。
死因は農作業中の事故とだけ聞いていたが、お焼香のときもお棺の小窓は開けられてはいなかった。
何か不穏なものを感じたけど、そこを突っ込んで聞くのはきっといけないことだと思い、結局、詳しい死因を知ったのは帰宅途中の車内になった。
説明したがらない母に代わり、父が手短に言った。
「朝の四時過ぎに、農機具に巻き込まれたんだ。マニアスプレッダーっていう、肥料を散布する大きな車があってな。そこの中に落ちてしまったらしい」
帰宅してから、私はこっそりとマニアスプレッダーについて検索した。
それで、全部分かってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!