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「すわって」
いつもはしまってあるざたくを組み立てて、「ちょっと待ってて」とだけ伝えて下から麦茶とコップと、少しのおかしを持って来た。自分の部屋に入ると、なぜかタツヤの背筋がぴんっと伸びている。あまりにもおかしくて、少しふきだした。
「ぷっ」
「な、なんだよ」
「わたしの部屋で、きんちょうすることもないでしょ。ほら、図鑑とかひょうほんとか、そんなんばっかだよ。ぜんぜん女の子っぽくないし」
「――ああ、そうだな」
その背中をひっぱたいてやった。
「ったぁあっ! なにすんだよっ」
「自分で言うのはいいけど、タツヤに言われるとむかつく――」
「はぁあ?」
ふんっとふてくされつつも、タツヤと向かい合わせになって座る。あぐらをかいて、ちょうどうしろにあるベッドに背中をあずけて、真っ白な天井をあおぎみる。
「今日なんで来なかったんだよ」
「ヒメもいるしねー。それに、じわじわ宿題も追いつめられてきたし。タツヤはどこまでやったー?」
「夏休みのはじめに数ページやって、それっきり」
「はは、タツヤっぽい」
「なんだそれ――」
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