1382人が本棚に入れています
本棚に追加
/888ページ
授業中、午後一発目の授業ということもあって教師の声がどこか昼寝のBGMに聞こえウトウトしていた時だった。
ふと、昼休みに友人が話していた事を思い出してチラリと隣の席の友人を見ると友人はうつらうつらとしており頭が揺れていた。
なんだ、寝てるじゃん。
そう思いながら友人を見ていると、ふと友人の後ろに何か変なモノが見えたような気がした。
ぼんやりとする頭を動かしながら目を凝らすと、それは異様に大きな頭をした男で手には大きな刃物を持ち友人の後ろで刃物を振りかざしていた。
「危ない………!」
思わず友人の手を引っ張ったのとほぼ同時に、男が刃物を振り下ろし間一髪の所で刃物は友人の机に刺さっていた。
頭の大きな男は、私を見て表情を変えずに舌打ちをするとスッと姿を消しそれと同時に友人が目を覚ました。
「大丈夫?」
「え、う、うん………」
どこか、オロオロした様子の友人は辺りを見渡しながらも返事を返し私は古典の教師に注意されながらも友人を助けられたことにどこか満足感を感じていた。
次の日、授業中についつい眠たくなってしまい教師の目を盗んで眠っていた時の事だった。
私は夢を見ていて、夢の中で追いかけられていた。
異様に頭の大きな刃物を持った男に………そう、友人の後ろにいたあの男にだ。
どうして?友人の夢にしか出ないはずじゃないの!?そう思っていたのに、男は物凄いスピードで追いかけてきてあと少しで追い付かれてしまう所で私は誰かに起こされた。
「大丈夫………?」
起こしてくれたのは、昨日あの男に追いかけられていたはずの友人だった。
礼を言えば、友人は少し不安そうな顔をしながらもそっと小さく折り畳んだ紙を渡してきて紙を広げるとそこには友人の文字でこんな事が書かれていた。
あの時、夢の中で男が『もう用はない』と言って姿を消したんだけど何か変なことはない?
その手紙を読みながら、さっき見た夢を思い出す。
アイツはもう友人には用がない………ということは、今日私の夢に出てきたってことはもしかして次のターゲットは私だということ?
チラリと隣を見れば、友人の机に見える刃物でつけられたような傷………。
その日から、今度は私が昼寝が出来なくなってしまった………。
最初のコメントを投稿しよう!