76食目 ストーカー

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そんなある日、いつものように彼女を見守るために彼女の会社へと向かう俺。その隣では大学の友人がニヤニヤしながら俺を見ていた。 「いやーお前がストーカーとかマジウケルわ!」 「ウケんなよ………自分でも気持ち悪いとは思ってんだからさぁ………」 俺の肩をバシバシ叩きながら笑う飯田は、大学の同級生でよく遊ぶ仲なのだ。 そんな飯田が大学が終わってすぐ、いつもとある大手企業の前をウロウロしている俺を目撃して白状しろよと色々と質問責めしてきた結果、飯田がそんなにイイ女なら俺も見てみたい!と言い出し今に至るのだ。 「それにしても顔を見たことないで後ろ姿に惚れるなんてお前もまだまだ青いよなぁ!」 「うるせーよ!お前も見れば絶対綺麗だって思うって!」 そんなくだらないやり取りをしているうちに、彼女の勤める会社に着き多くの会社員が出てくるなかふと前方に彼女の後ろ姿が見えた。 「飯田!いた彼女だ!」 「え?」 行くぞと飯田の手を引っ張って、彼女と一定距離を保ちながらなんとか前に行こうとしてもやはり追い付けなくて、俺は今日も美しい彼女の姿を見ながら無事にマンションまで入るのを見届けた。 「なっ!飯田後ろ姿マジで綺麗だったろ?」 そう飯田に言えば、彼女を追いかけるまでうるさかった飯田は何故か静かでもしかして彼女に惚れたか?なんて思っていると、飯田が口を開いた。 「………お前、本当に気づいてないのか?」 「え?」 しかめ面の飯田は次の瞬間、とんでもない言葉を口にした。 「お前、アレ………生きてる人間じゃねーぞ」 飯田の言葉に思わず固まる俺 彼女が幽霊?なんの冗談を言ってるんだ、だいたい普通に会社から出て来てマンションまで帰宅してるのに幽霊なわけないだろう? そんな俺の考えが読めたのか、飯田は来いと言ってなんと彼女の住むマンションへと足を踏み入れたのだ。 一体何を考えているんだと戸惑う俺に、飯田はズンズン進んでいくとマンションにある管理人室と書かれている部屋のインターホンを押した。
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